第2ターン(大陸歴939年2月第1週)
大陸歴939年2月3日15:30。
ライエルンジーゲン特別市中央区・国防軍最高司令部内陸軍参謀本部・参謀総長執務室。
「……それで、総統閣下とはどのようなお話を?」
白磁のカップに白い湯気を立てる深煎りコーヒーを注ぎ、目の前に座るこの部屋の主へと差し出す、フリンゲル少将。立ち昇る芳香を愉しみながら、フィールドグレーの軍服に身を包んだ初老の将軍は、自らの遠縁にあたる主任参謀に向かって曖昧に微笑みかけました。
「"金の場合"の進捗に関して、貴重なご意見を頂いたよ……詳しい内容は全体会議まで秘密だが」
「立案を急ぐように催促を受けた、という訳ですか?」
「想像に任せるよ」
やんわりとした口調ながらも、参謀総長は回答を拒み、漆黒の液体を静かに口に含みます。
「ほう。代用コーヒーじゃなく、本物の豆を挽いているようだね。今や贅沢品の仲間入りを果たそうとしている筈だが?」
「ええ。去年の暮れに、連合王国が西方大陸産のコーヒー豆を我が国への禁輸リストに追加しましたからね」
「フフ、我々の弱点はお見通しという訳だ」
軽口を交えながら、上級大将は貴重な一杯を堪能します。
第1次ヴェーヴェルスブルク戦役で失陥するまでの間、ライエルンは西方大陸南部に植民地を領有していましたが、その影響で、ライエルン国民の間では同大陸産のコーヒー豆の人気は今も非常に高く、連合王国政府も、つい最近まで、輸出規制を課すのは外交上好ましくないと考えてきた程です。
「会議までは何も言わないつもりだったが、気が変わったよ。本物のコーヒーの御礼に、一つだけ、話してあげるとしよう」
「どんな事ですか?」
期待と不安の入り混じる眼差しで、ジーベルトを見つめる主任参謀。空になったカップを執務机の上に置くと、参謀総長は茶目っ気たっぷりに笑いかけました。
「たまには早目に仕事を切り上げて、細君と食事にでも行きたまえ。家庭内の平和を維持する事も、ライエルン軍人の重要な任務の一つだぞ、ゴットリープ」
●今回、結論を出す必要のある議題(第2ターン)
C軍集団の作戦行動方針。
ジーベルト参謀総長より、『C軍集団の作戦行動方針について意見のある者は早急に提出するように』という指示が発出されました。
C軍集団は、プランAでもブランBでも、共和国軍の第2軍集団を南方地域に釘付けにしておくための囮部隊と位置付けられており、両案共に大きな差異は存在しない事から、参謀間の合意形成は比較的容易と考えられます。ただし、プランAは、現状、C軍集団と親衛隊装甲軍を共同で行動させる内容となっています(親衛隊は、その案に難色を示していますが)。参謀総長は、複雑な問題の絡む親衛隊装甲軍の作戦行動方針については、C軍集団のそれとは切り離して議論を行い、後日結論を出す方針のようです。
●懸案事項の一覧(第2ターン)
(1)全体会議の前に、NPCに面会し、質問したり、交渉を持ち掛けたりする事が出来ます。
対象のNPCは、クロースナー上級少将、フリンゲル少将、ヴェーゼラー少将、グロースファウストSD上級少将の4人です(第2ターンは、ジーベルト上級大将には面会出来ません)。なお、4人はかなり多忙であるため、いずれか1人だけに面会を希望する場合は必ず面会出来ますが、複数人に面会を求めた場合、希望通りに面会出来ない可能性があります。
(2)空軍総司令部より、『空軍降下装甲猟兵師団(通称”ワルキューレ装甲師団”)を中核とする空軍野戦軍団を”金の場合”に参加させたい』旨の打診が舞い込んできました。
前回の全体会議の結果、橋梁制圧の功績を陸軍と空軍とで分け合う形で何とか折り合いをつける事に成功したため、”リンデン部隊”の投入に対する空軍の抗議は回避されました。ただ、空軍の上層部にはこの合意に不満を抱く一派があり、空軍総司令部を動かして、参謀本部に対し、空軍所属の陸戦部隊の作戦参加を要求してきました。”ワルキューレ装甲師団”は、空軍野戦師団を改編した空軍の装甲部隊ですが、精鋭として名高い降下猟兵師団と異なり、その実力は未知数となっています(なお、降下装甲猟兵師団は、降下猟兵師団と異なり、空挺降下作戦を行う能力は有していません)。
『作戦参加を認めれば、陸軍部隊の足を引っ張る厄介者となる可能性が高い』と考える者も多く、西方総軍司令部は参謀本部が空軍の要求を上手く断ってくれる事を期待しています。
(3)B軍集団司令部より、『国防軍特殊作戦旅団(通称”リンデン部隊”)をレーヌス川支流域の治水ダムの制圧に投入すべきである』という意見具申が上がってきています。
前回の全体会議の結果、A軍集団司令部の意見具申を容れて、”リンデン部隊”を橋梁の制圧に投入する運びとなりましたが、その直後、B軍集団司令部から新たな意見具申があり、この件に関しては現在も継続審議となっています。
新たな意見具申は、『国防軍情報部の諜報活動により、”アンドレライン”が突破された場合、共和国軍がレーヌス川の支流に建設された複数の治水ダムを爆破して下流部を水浸しにし、侵攻部隊の進軍を妨げる計画の存在が判明した。これを阻止するため、”リンデン部隊”を投入すべきである』という内容です。情報が真実であるならば、確かに大問題ですが、参謀本部からの照会に対する情報部の回答は、『当該情報については、目下、真偽を確認中』というものです。
また、仮に情報が真実であったとしても、A軍集団司令部が”リンデン部隊”の投入先変更に難色を示すのは想像に難くありません。A軍集団とB軍集団、どちらの意見具申を容れるのか?慎重な判断が求められるでしょう。
(4)総統府より、『ラティニア王国からの軍事顧問団の派遣要請を受け、ラインハルト総統が1個装甲軍団の派遣を決定した』との通知がありました。
ラティニアの植民地である南方大陸のプトナーン地方(※現実世界のリビア東部に相当します)では、独立運動が活発化しています。独立派には隣接するサクソニア連合王国の植民地から密かに支援が送られているらしく、業を煮やしたラティニア政府はライエルンにプトナーン地方への派兵と駐留を求めてきました。ライエルン側としては、数か月後に開戦を控えたこの時期に、貴重な装甲部隊を派兵するのは避けたいというのが本音なのですが、同盟国ラティニアの親ライエルン政権への支持が低下すれば、原油をはじめとするラティニア産の資源の輸入に影響が出るのは必至であるため、やむなく要請に応じる事にしたものです。
参謀本部には、西方総軍の中から装甲師団と自動車化歩兵師団を各1個、派遣部隊として選定する事が求められています。この選択肢を選択する場合、どの軍・軍団に所属する師団を派遣すべきであると考えるか?プレイングに明記して下さい。ただし、親衛隊装甲軍(及び空軍)の師団を指定する事は出来ません。
(5)総統府より、前回に引き続き、ラインハルト総統の『”金の場合”に於いては、親衛隊装甲軍が重要な役割を果たす事を期待している』という内々の意向が伝達されています。
今回も正式な総統命令という訳ではなく、あくまで個人的な要望というレベルに留まってはいますが、要求のトーンは前回よりも強いものとなっています。
●マスターより
PBWアライアンス【Reyernland über Alles! シナリオ#1”金の場合”】へようこそ!
本ゲームは、異世界<レーベンスボルン>に存在する軍事国家ライエルン連邦とその西隣に位置するゴール共和国との戦争を題材とする仮想戦記風PBWです。
皆さんには、ライエルン連邦国防軍最高司令部に所属する陸軍参謀本部の参謀将校となり、数か月後に実施される予定の共和国侵攻作戦"金の場合"の作戦計画の立案にあたって頂きます。
ゲームの開催期間は約1年間、ターン数は5回です(なお、ゲーム内では1ターンは約1週間に相当します)。
ゲーム期間終了後、制作された全リプライを元に最終的な判定結果を導き出した上で、断章として執筆・公開を予定しています。
本ゲームへの参加にあたっての注意点です。
皆さんの立ち位置は、陸軍参謀本部の作戦課に所属する佐官クラスの参謀将校であり、前線司令部で部隊を直接指揮したり、自ら最前線に立って敵と戦ったりする立場ではありません。従って、リプライの中で、戦闘や戦場の場面が描かれる事は基本的には無いものとお考え下さい(そもそも、このゲームの対象期間は、最後に制作する予定の断章を除き、ライエルンとゴールとの戦争が始まる数か月前の時期となっています)。
皆さんに行って頂きたいのは、
(1)公開済みのリプライやゲームサイトに掲載されている情報(各ターンの初期情報、戦略マップ、戦力表、各種図表類、ルール、世界設定等)を活用して、オリジナルの作戦案を立案する。
(2)ゲームサイトに掲載されている、NPCが立案した二つの作戦案のどちらかを支持し、正式な作戦計画として採用されるように努力する。
(3)ゲームサイトに掲載されている各ターンの初期情報や各ターンのシナリオ・オープニングに掲載されている懸案事項に関して、意見を述べ、解決に向けて努力する。
のいすれか、です。
ただし、(3)だけを選択する事は出来ません((3)を選択したい方は、必ず(1)又は(2)と一緒に行って下さい)。また、(3)については、懸案事項を解決出来なかったとしても、ただちにゲーム上の不利益が発生する訳ではありません。ただし、懸案事項の解決に貢献したと認められた方は、上官や関係者から好感を獲得出来るだけでなく、状況によっては、本国からの増援部隊の来援等、ゲーム上の利益となる事象が発生する可能性もありますので、挑戦してみる価値は十分にあるでしょう。
●前回のプレイングによってもたらされた状況の変化(全体)
・親衛隊装甲軍所属の第2SD装甲軍団は、自動車化歩兵師団(一線級)×2から装甲師団(一線級)×2に変更されました。ただし、この2個師団については、最終判定時に”金の場合”に参加出来たかどうか?の判定を実施します。
・B軍集団直轄の第56装甲軍団は、自動車化歩兵師団(二線級)×2から自動車化歩兵師団(一線級)×2に変更されました。
・A軍集団第16軍所属の第5軍団は、歩兵師団(一線級)×3から歩兵師団(一線級)×2に変更されました。なお、歩兵師団(一線級)×1は、西方総軍直轄の第101軍団に移動します。
・A軍集団第16軍所属の第57軍団は、歩兵師団(二線級)×3から歩兵師団(二線級)×2に変更されました。なお、歩兵師団(二線級)×1は、西方総軍直轄の第101軍団に移動します。
・西方総軍直轄として、第101軍団が新設されました。なお、第1ターン作戦開始時の集結地点は、プランA・B共にヴェストファーレとなります。
・プランAにおけるB軍集団第18軍の第55軍団の作戦行動方針は、他の第18軍所属部隊と同一の内容に変更されました。
●前回のプレイングによってもたらされた状況の変化(個別)
・パウラ・ヒンデンブルク歩兵少佐
好感度上昇:クロースナー上級少将、ヴェーゼラー少将
信頼度上昇:A軍集団司令部、B軍集団司令部、親衛隊作戦本部
・ヴィルヘルミナ・グレーナー砲兵上級少佐
好感度上昇:グロースファウストSD上級少将
好感度低下:クロースナー上級少将
信頼度上昇:親衛隊作戦本部
・ヘルミーナ・モルトケ装甲兵中佐
好感度上昇:クロースナー上級少将
・エリーシャ・ファルケンハイン歩兵上級中佐
好感度上昇:フリンゲル少将
信頼度上昇:A軍集団司令部
・ヴィリー・フランツ参謀大佐
好感度上昇:クロースナー上級少将
信頼度上昇:空軍総司令部
・ヘルムート・ロートシュタット歩兵上級大佐
好感度上昇:クロースナー上級少将
信頼度上昇:A軍集団司令部
●プレイング作成にあたってのヒント
・各NPCは各々が独自の目的を持ち、その実現を目指して議論に参加しています。
その目的は様々ですが、往々にして、個人的な使命感や欲望ではなく、所属している又は何らかの強固なコネクションを有している組織の方針に依っている事が多いでしょう。リプライ上での描写内容と各種の情報を突き合わせて、推理してみて下さい。NPCが何を目指しているのか?を正確に知る事が出来れば、そのNPCを説得する上で大きな武器となります。
・(原則として)各NPCは皆さんのキャラクターに対して嘘はつきません。ただし、キャラクターに対する好感度が低い場合や質問や交渉に対する回答の内容が公言を憚るようなものである場合には、本音を語ろうとはせず、質問をはぐらかしたり、話題をすり替えようとしたりする事がありますのでご注意下さい。
・クレメンス・フォン・ジーベルト参謀総長は、全体会議の場では議事の司会進行役に徹し、積極的に議論には加わろうとしません。また、個人的に面会を求められたとしても、殆どの場合、要望には応じないものとお考え下さい。彼が全体会議の場で自分の意見を述べたり、誰かと個別に面会したりするのは、余程重要かつ必要性に迫られた場合か、あるいは、ライエルン陸軍の実質的トップとしての公的な立場とは完全に無関係な話題や面談内容である場合だけです。
ライエルンジーゲン特別市中央区・国防軍最高司令部内陸軍参謀本部・参謀総長執務室。
「……それで、総統閣下とはどのようなお話を?」
白磁のカップに白い湯気を立てる深煎りコーヒーを注ぎ、目の前に座るこの部屋の主へと差し出す、フリンゲル少将。立ち昇る芳香を愉しみながら、フィールドグレーの軍服に身を包んだ初老の将軍は、自らの遠縁にあたる主任参謀に向かって曖昧に微笑みかけました。
「"金の場合"の進捗に関して、貴重なご意見を頂いたよ……詳しい内容は全体会議まで秘密だが」
「立案を急ぐように催促を受けた、という訳ですか?」
「想像に任せるよ」
やんわりとした口調ながらも、参謀総長は回答を拒み、漆黒の液体を静かに口に含みます。
「ほう。代用コーヒーじゃなく、本物の豆を挽いているようだね。今や贅沢品の仲間入りを果たそうとしている筈だが?」
「ええ。去年の暮れに、連合王国が西方大陸産のコーヒー豆を我が国への禁輸リストに追加しましたからね」
「フフ、我々の弱点はお見通しという訳だ」
軽口を交えながら、上級大将は貴重な一杯を堪能します。
第1次ヴェーヴェルスブルク戦役で失陥するまでの間、ライエルンは西方大陸南部に植民地を領有していましたが、その影響で、ライエルン国民の間では同大陸産のコーヒー豆の人気は今も非常に高く、連合王国政府も、つい最近まで、輸出規制を課すのは外交上好ましくないと考えてきた程です。
「会議までは何も言わないつもりだったが、気が変わったよ。本物のコーヒーの御礼に、一つだけ、話してあげるとしよう」
「どんな事ですか?」
期待と不安の入り混じる眼差しで、ジーベルトを見つめる主任参謀。空になったカップを執務机の上に置くと、参謀総長は茶目っ気たっぷりに笑いかけました。
「たまには早目に仕事を切り上げて、細君と食事にでも行きたまえ。家庭内の平和を維持する事も、ライエルン軍人の重要な任務の一つだぞ、ゴットリープ」
●今回、結論を出す必要のある議題(第2ターン)
C軍集団の作戦行動方針。
ジーベルト参謀総長より、『C軍集団の作戦行動方針について意見のある者は早急に提出するように』という指示が発出されました。
C軍集団は、プランAでもブランBでも、共和国軍の第2軍集団を南方地域に釘付けにしておくための囮部隊と位置付けられており、両案共に大きな差異は存在しない事から、参謀間の合意形成は比較的容易と考えられます。ただし、プランAは、現状、C軍集団と親衛隊装甲軍を共同で行動させる内容となっています(親衛隊は、その案に難色を示していますが)。参謀総長は、複雑な問題の絡む親衛隊装甲軍の作戦行動方針については、C軍集団のそれとは切り離して議論を行い、後日結論を出す方針のようです。
●懸案事項の一覧(第2ターン)
(1)全体会議の前に、NPCに面会し、質問したり、交渉を持ち掛けたりする事が出来ます。
対象のNPCは、クロースナー上級少将、フリンゲル少将、ヴェーゼラー少将、グロースファウストSD上級少将の4人です(第2ターンは、ジーベルト上級大将には面会出来ません)。なお、4人はかなり多忙であるため、いずれか1人だけに面会を希望する場合は必ず面会出来ますが、複数人に面会を求めた場合、希望通りに面会出来ない可能性があります。
(2)空軍総司令部より、『空軍降下装甲猟兵師団(通称”ワルキューレ装甲師団”)を中核とする空軍野戦軍団を”金の場合”に参加させたい』旨の打診が舞い込んできました。
前回の全体会議の結果、橋梁制圧の功績を陸軍と空軍とで分け合う形で何とか折り合いをつける事に成功したため、”リンデン部隊”の投入に対する空軍の抗議は回避されました。ただ、空軍の上層部にはこの合意に不満を抱く一派があり、空軍総司令部を動かして、参謀本部に対し、空軍所属の陸戦部隊の作戦参加を要求してきました。”ワルキューレ装甲師団”は、空軍野戦師団を改編した空軍の装甲部隊ですが、精鋭として名高い降下猟兵師団と異なり、その実力は未知数となっています(なお、降下装甲猟兵師団は、降下猟兵師団と異なり、空挺降下作戦を行う能力は有していません)。
『作戦参加を認めれば、陸軍部隊の足を引っ張る厄介者となる可能性が高い』と考える者も多く、西方総軍司令部は参謀本部が空軍の要求を上手く断ってくれる事を期待しています。
(3)B軍集団司令部より、『国防軍特殊作戦旅団(通称”リンデン部隊”)をレーヌス川支流域の治水ダムの制圧に投入すべきである』という意見具申が上がってきています。
前回の全体会議の結果、A軍集団司令部の意見具申を容れて、”リンデン部隊”を橋梁の制圧に投入する運びとなりましたが、その直後、B軍集団司令部から新たな意見具申があり、この件に関しては現在も継続審議となっています。
新たな意見具申は、『国防軍情報部の諜報活動により、”アンドレライン”が突破された場合、共和国軍がレーヌス川の支流に建設された複数の治水ダムを爆破して下流部を水浸しにし、侵攻部隊の進軍を妨げる計画の存在が判明した。これを阻止するため、”リンデン部隊”を投入すべきである』という内容です。情報が真実であるならば、確かに大問題ですが、参謀本部からの照会に対する情報部の回答は、『当該情報については、目下、真偽を確認中』というものです。
また、仮に情報が真実であったとしても、A軍集団司令部が”リンデン部隊”の投入先変更に難色を示すのは想像に難くありません。A軍集団とB軍集団、どちらの意見具申を容れるのか?慎重な判断が求められるでしょう。
(4)総統府より、『ラティニア王国からの軍事顧問団の派遣要請を受け、ラインハルト総統が1個装甲軍団の派遣を決定した』との通知がありました。
ラティニアの植民地である南方大陸のプトナーン地方(※現実世界のリビア東部に相当します)では、独立運動が活発化しています。独立派には隣接するサクソニア連合王国の植民地から密かに支援が送られているらしく、業を煮やしたラティニア政府はライエルンにプトナーン地方への派兵と駐留を求めてきました。ライエルン側としては、数か月後に開戦を控えたこの時期に、貴重な装甲部隊を派兵するのは避けたいというのが本音なのですが、同盟国ラティニアの親ライエルン政権への支持が低下すれば、原油をはじめとするラティニア産の資源の輸入に影響が出るのは必至であるため、やむなく要請に応じる事にしたものです。
参謀本部には、西方総軍の中から装甲師団と自動車化歩兵師団を各1個、派遣部隊として選定する事が求められています。この選択肢を選択する場合、どの軍・軍団に所属する師団を派遣すべきであると考えるか?プレイングに明記して下さい。ただし、親衛隊装甲軍(及び空軍)の師団を指定する事は出来ません。
(5)総統府より、前回に引き続き、ラインハルト総統の『”金の場合”に於いては、親衛隊装甲軍が重要な役割を果たす事を期待している』という内々の意向が伝達されています。
今回も正式な総統命令という訳ではなく、あくまで個人的な要望というレベルに留まってはいますが、要求のトーンは前回よりも強いものとなっています。
●マスターより
PBWアライアンス【Reyernland über Alles! シナリオ#1”金の場合”】へようこそ!
本ゲームは、異世界<レーベンスボルン>に存在する軍事国家ライエルン連邦とその西隣に位置するゴール共和国との戦争を題材とする仮想戦記風PBWです。
皆さんには、ライエルン連邦国防軍最高司令部に所属する陸軍参謀本部の参謀将校となり、数か月後に実施される予定の共和国侵攻作戦"金の場合"の作戦計画の立案にあたって頂きます。
ゲームの開催期間は約1年間、ターン数は5回です(なお、ゲーム内では1ターンは約1週間に相当します)。
ゲーム期間終了後、制作された全リプライを元に最終的な判定結果を導き出した上で、断章として執筆・公開を予定しています。
本ゲームへの参加にあたっての注意点です。
皆さんの立ち位置は、陸軍参謀本部の作戦課に所属する佐官クラスの参謀将校であり、前線司令部で部隊を直接指揮したり、自ら最前線に立って敵と戦ったりする立場ではありません。従って、リプライの中で、戦闘や戦場の場面が描かれる事は基本的には無いものとお考え下さい(そもそも、このゲームの対象期間は、最後に制作する予定の断章を除き、ライエルンとゴールとの戦争が始まる数か月前の時期となっています)。
皆さんに行って頂きたいのは、
(1)公開済みのリプライやゲームサイトに掲載されている情報(各ターンの初期情報、戦略マップ、戦力表、各種図表類、ルール、世界設定等)を活用して、オリジナルの作戦案を立案する。
(2)ゲームサイトに掲載されている、NPCが立案した二つの作戦案のどちらかを支持し、正式な作戦計画として採用されるように努力する。
(3)ゲームサイトに掲載されている各ターンの初期情報や各ターンのシナリオ・オープニングに掲載されている懸案事項に関して、意見を述べ、解決に向けて努力する。
のいすれか、です。
ただし、(3)だけを選択する事は出来ません((3)を選択したい方は、必ず(1)又は(2)と一緒に行って下さい)。また、(3)については、懸案事項を解決出来なかったとしても、ただちにゲーム上の不利益が発生する訳ではありません。ただし、懸案事項の解決に貢献したと認められた方は、上官や関係者から好感を獲得出来るだけでなく、状況によっては、本国からの増援部隊の来援等、ゲーム上の利益となる事象が発生する可能性もありますので、挑戦してみる価値は十分にあるでしょう。
●前回のプレイングによってもたらされた状況の変化(全体)
・親衛隊装甲軍所属の第2SD装甲軍団は、自動車化歩兵師団(一線級)×2から装甲師団(一線級)×2に変更されました。ただし、この2個師団については、最終判定時に”金の場合”に参加出来たかどうか?の判定を実施します。
・B軍集団直轄の第56装甲軍団は、自動車化歩兵師団(二線級)×2から自動車化歩兵師団(一線級)×2に変更されました。
・A軍集団第16軍所属の第5軍団は、歩兵師団(一線級)×3から歩兵師団(一線級)×2に変更されました。なお、歩兵師団(一線級)×1は、西方総軍直轄の第101軍団に移動します。
・A軍集団第16軍所属の第57軍団は、歩兵師団(二線級)×3から歩兵師団(二線級)×2に変更されました。なお、歩兵師団(二線級)×1は、西方総軍直轄の第101軍団に移動します。
・西方総軍直轄として、第101軍団が新設されました。なお、第1ターン作戦開始時の集結地点は、プランA・B共にヴェストファーレとなります。
・プランAにおけるB軍集団第18軍の第55軍団の作戦行動方針は、他の第18軍所属部隊と同一の内容に変更されました。
●前回のプレイングによってもたらされた状況の変化(個別)
・パウラ・ヒンデンブルク歩兵少佐
好感度上昇:クロースナー上級少将、ヴェーゼラー少将
信頼度上昇:A軍集団司令部、B軍集団司令部、親衛隊作戦本部
・ヴィルヘルミナ・グレーナー砲兵上級少佐
好感度上昇:グロースファウストSD上級少将
好感度低下:クロースナー上級少将
信頼度上昇:親衛隊作戦本部
・ヘルミーナ・モルトケ装甲兵中佐
好感度上昇:クロースナー上級少将
・エリーシャ・ファルケンハイン歩兵上級中佐
好感度上昇:フリンゲル少将
信頼度上昇:A軍集団司令部
・ヴィリー・フランツ参謀大佐
好感度上昇:クロースナー上級少将
信頼度上昇:空軍総司令部
・ヘルムート・ロートシュタット歩兵上級大佐
好感度上昇:クロースナー上級少将
信頼度上昇:A軍集団司令部
●プレイング作成にあたってのヒント
・各NPCは各々が独自の目的を持ち、その実現を目指して議論に参加しています。
その目的は様々ですが、往々にして、個人的な使命感や欲望ではなく、所属している又は何らかの強固なコネクションを有している組織の方針に依っている事が多いでしょう。リプライ上での描写内容と各種の情報を突き合わせて、推理してみて下さい。NPCが何を目指しているのか?を正確に知る事が出来れば、そのNPCを説得する上で大きな武器となります。
・(原則として)各NPCは皆さんのキャラクターに対して嘘はつきません。ただし、キャラクターに対する好感度が低い場合や質問や交渉に対する回答の内容が公言を憚るようなものである場合には、本音を語ろうとはせず、質問をはぐらかしたり、話題をすり替えようとしたりする事がありますのでご注意下さい。
・クレメンス・フォン・ジーベルト参謀総長は、全体会議の場では議事の司会進行役に徹し、積極的に議論には加わろうとしません。また、個人的に面会を求められたとしても、殆どの場合、要望には応じないものとお考え下さい。彼が全体会議の場で自分の意見を述べたり、誰かと個別に面会したりするのは、余程重要かつ必要性に迫られた場合か、あるいは、ライエルン陸軍の実質的トップとしての公的な立場とは完全に無関係な話題や面談内容である場合だけです。